特養(特別養護老人ホーム)に関しては、色々とご質問されます。
入所条件、待機者人数、利用料のこと、優先入所について、など
このページでは、
そんな特養に関しての質問にお答えしていきます。
■目次
Q1特養(特別養護老人ホーム)に入所を申し込んでも、待機人数が300人とか400人待ちって本当ですか?
A 以前は静岡市でも300人以上の待機者の施設もありましたが、
改正により2016年4月以降の新規申込みは原則要介護3以上と
なり状況は変りました。
要介護1・2の方は除外されたため、待機人数は、全国平均
(共同通信2016.10末)で約42%減、静岡県ではなんと53%
減になりました。
計算上、300人待機者のいる施設でも、現在では150人の待機
者ということになります。
また複数施設申し込んでいることも加味すると、実際の待機者の人数はもっと少ないといえます。
この改正により、寝たきりなど
介護度の重い方が入所しやすくなりました。
Q2母は要介護3ですが、あまり順番を待たなくても、時期がくれば入所できるのですか?
A 残念ながらそういう訳では無いのです。
特養への入所は、静岡県の指定介護老人福祉施設(特養)優先入所取扱要領に定めるところによるのです。
優先入所指針では「合計点数が同点となった場合、原則とし
ては申込順とするが、入所の必要性を総合的に判断して決定
する。」となっています。
優先入所検討委員会での合計点数が高い方から順位が付けら
れ、優先入所名簿に記載されます。
優先入所順位名簿には見直しがあり「委員会は6か月に1回
以上開催し、優先入所順位名簿を見直しするものとする」と
なっています。
先日取材に伺った「特別養護老人ホーム高麓(焼津)」では、
2ヵ月毎に委員会が開催されているとのことでした。
見直し期間が短いということは、本当に必要な方にとっては有難いことです。
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Q3合計点数という言葉が出てきましたが、それはどんなものなのでしょうか?
A 入所申込者評価基準を最下部にご紹介しています。参照ください。
Q4入所申込者評価基準には年金とかの収入が記載されていませんが?
A たしかに基準の点数には入ってはいません。
生活困窮世帯と余裕があり、有料老人ホームへの入居に問題が無い方とは、特養入所に対する逼迫度が異なります。
この場合、要領の7(3)「・・・・・考慮すべき事由がある場合、委員会の判断により特別な状況として加算できる」
の適用が望まれます。
Q5原則要介護3以上とのことですが、この原則とは何ですか?
A 要介護2以下でも優先入所となる場合があるためです。
例えば「介護者による虐待、介護放棄等により、要介護者の生命・身体に危険が生じている」場合などです。
Q6本当に必要な方が入りやすいことは理解できます。要介護2以下でも本当に必要な方っていませんか?
A 要介護度が低くても徘徊の恐れなど、家族の介護負担が重い人や経済的に余裕のない人もいます。
要介護2以下でも介護離職を余儀なくされる場合もあります。
ご家族により様々な状況がありますので、介護離職を減らすためにも大きな課題となっています。
要介護3・ご家族と同居など、優先入居点数の少ない方は
「いつまで待っても入所できない」という可能性が・・・・
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Q7特養は利用料が安いと聞いていますが、どれくらい安いのですか?
A 有料老人ホームと比較して答えたいと思います。
静岡市の有料老人ホームの月額の利用料金の平均と特別養護老人ホーム高麓の利用料金を基にご案内します。
目安条件:要介護3・介護保険1割負担・30日/月
① |
介護付き有料老人ホーム(静岡市平均)
|
209,093円 |
※医療費など自費を除く |
② |
特養ユニット型個室 |
174,855円 |
※施設の居室の種類(多床室・従来型個室・
ユニット型準個室・ユニット型個室)により
利用料金が異なります。
※食費など、施設により異なります。
※それぞれ自費を除くと-10,000円位になります。 |
③ |
特養従来型個室 |
144,131円 |
④ |
特養多床室 |
125,831円 |
※協力:特別養護老人ホーム 高麓 (更新日:令和6年10月10日)
「有料老人ホーム」と「特養のユニット型個室」とを比較すると極端な差がありません
Q8特養の多床室でもそんなにかかるのですが?人から6万円だとか聞いたことがありますが・・・
A 特養には、利用者負担の軽減が適用されます。(申請が必要)
申請することにより、利用料は大幅に少なくなります。
目安条件:要介護3・介護保険1割負担・30日/月
利用者負担段階 |
負担軽減なし |
第3段階①② |
第2段階 |
第1段階 |
① |
介護付き有料老人ホーム(静岡市平均) |
209,093円 |
― |
― |
― |
② |
特養ユニット型個室 |
174,855円 |
①103,005円
②124,305円 |
89,505円 |
77,805円 |
③ |
特養従来型個室 |
144,131円 |
①85,781円
②107,081円 |
65,981円 |
60,281円 |
④ |
特養多床室 |
125,831円 |
①72,281円
②93,581円 |
64,481円 |
48,881円 |
※利用者負担第3段階=市民税世帯非課税で第2段階(収入が80万円以下)に該当しない世帯
一般的な高齢者世帯(年金以外の収入がない)の多くが、この第3段階に該当します。
自己負担額の軽減が適用されると、利用料は大きく変ってきます
下記に自己負担額の軽減(静岡市HPより)を掲載しています。
食費など、施設により異なりますので、あくまで目安としてご参照ください。
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指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)への優先入所等 |
指定介護老人福祉施設優先入所取扱要領(静岡県HP:指定介護老人福祉施設への優先入所等より)
指定介護老人福祉施設及び指定地域密着型介護老人福祉施設への優先入所の取扱いについては、静岡県指定介護老人福祉施設優先入所指針(以下「指針」という。)に定めるもののほか、この要領の定めるところによる。
1 優先入所方針(指針2)
合計点数が同点となった場合の優先入所順位は、原則として申込順とするが、入所の必要性を総合的に判断して決定
する。
2 優先入所検討委員会(指針3-(2))
ア 施設職員について
優先入所検討委員会(以下「委員会」という。)の施設職員としての委員は、施設長、生活相談員、介護職員、看護
職員、介護支援専門員などの職員とする。
イ 施設職員以外の第三者について
施設職員以外の第三者の委員とは、民生委員、当該社会福祉法人の評議員のうち地域の代表者として加わっている者
者、社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みにおいて選任することとされている第三者
委員などをいう。
3 優先入所基準の作成
施設は、指針に基づき優先入所に係る基準を定め、県に届け出るとともに施設において公表するものとする。
4 優先入所決定の手続き
(1) 入所申込みの受付(指針4-(1))
ア 入所申込書について
施設は、入所申込書の有効期限を定めることができるものとする。
なお、設定した場合は、入所申込者にその期限を周知するものとする。
イ 入所申込者名簿の作成
入所申込者名簿は、入所申込書に基づき、指針別表の入所申込者評価基準(以下「評価基準」という。)項目の本人
及び介護者等の状況並びに居住地により算定した点数が高い者から順に並べ替える。
なお、入所申込者の内、要介護認定を受けていない者(要支援者含む)については、入所申込者名簿から除くものと
する。
(2) 入所申込者の調査(指針4-(2))
施設は、入所申込者名簿の上位者について、面接、訪問等を行い入所申込書の記載内容を調査する。
なお、上位者とは当該施設における6か月間の入所者予想数の倍程度以上の順の申込者をいう。
(3) 優先入所順位の決定(指針4-(3))
ア 優先入所順位名簿の作成
委員会は、入所申込書の「その他事項」及び優先入所調査票により、特に施設入所を考慮すべき状況が認められる
場合について特別な状況として点数を加算し、これに基づき、点数の高い者から順に並べた優先入所順位名簿
(様式2)を作成する。
イ 優先入所順位名簿の見直し
委員会は6か月に1回以上開催し、優先入所順位名簿を見直しするものとする。また、必要に応じて、委員会を随時
開催し、優先入所順位名簿を見直しを行う。
施設は、本人、介護者等の状況等に変化が生じたことにより再度申込みした者や新規に申込みした者を含めて4-
(1)及び(2)の手続きにより入所申込者名簿を整理し、委員会が開催される都度提出するものとする。
5 優先入所事務の留意事項
情報の提供(指針5-(4))
施設は、入所申込者及び入所申込者の家族、身元引受人等から情報を求められた時は、入所申込者以外の情報につい
て、特定の個人情報としての識別ができないように提供するものとする。
6 市町優先入所指針の取扱い
市町は地域の実情等を反映した優先入所に係る指針を策定する場合、県と協議するものとする。
7 入所申込者評価基準
(1)介護者等の状況(評価基準2)
ア 「ひとり暮らし」について
介護者が同一敷地内又は隣接地等に居住している場合は除くものとする。
イ 「病気療養中又は障害を有する」場合について
介護が困難なほどの病状又は障害が継続的に見込まれるものをいう。
(2)居住地(評価基準3)
入所申込者について介護保険の保険者である市町の地域をいうものとする。
(3)特別な状況(評価基準4)
指針別表の入所申込者評価基準における本人の状況や介護者等の状況の中で示した内容では介護の困難性等を反映で
きない場合又はこれら以外の事情で考慮すべき事由がある場合、委員会の判断により特別な状況として加算できるも
のとする。
(4)その他(評価基準5)
「介護者による虐待、介護放棄等により、要介護者の生命・身体に危険が生じている」場合について
本人の状況を確認するとともに、福祉事務所、民生委員等からの聞き取り等により実態を十分に把握するもの
とする。
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(別表)入所申込者評価基準
優先入所の点数は、次の1から4までに掲げる項目の点数を合計した点数又は5の点数とする。
1 本人の状況
① |
要介護5 |
50点 |
② |
要介護4 |
40点 |
③ |
要介護3 |
30点 |
④ |
要介護2 |
10点 |
⑤ |
要介護1 |
5点 |
2 介護者等の状況
(1) 自宅((2)以外の場所)の場合
① |
ひとり暮らしで、介護者がいない |
50点 |
② |
介護者が要介護状態、病気療養中又は障害を有することにより、介護が困難 |
③ |
介護者が要支援状態又は高齢者であることにより、介護が困難 |
40点 |
④ |
ひとり暮らしで、介護者がいるが、日常的に介護を受けることが困難 |
30点 |
⑤ |
複数人を介護しているため、介護が困難 |
⑥ |
介護者が就労又は育児をしているため、介護が困難 |
⑦ |
①から⑥まで以外の状態であるが、介護が困難 |
20点 |
(2) 介護保険施設等に入院又は入所している場合
① |
養護老人ホーム、軽費老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅又は法令で定めるその他の福祉施設(介護付きの施設を除く。) |
20点 |
② |
介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、グループホーム、①のうち介護付きの施設又は病院 |
10点 |
注)退所又は退院が予定されている場合は、在宅に復帰したものと仮定して、(1)により点数をつける。
3 居住地
① |
施設所在地と同一の市町内又はその市町と介護保険の保険者として一部事務組合を設立している市町内 |
20点 |
② |
施設所在地と同一の圏域内(①を除く。)又は県内の隣接市町内 |
10点 |
③ |
施設所在地の圏域外 |
0点 |
注)圏域とは、静岡県が策定したふじのくに長寿社会安心プランにおける長寿者保健福祉圏域をいう。
4 特別な状況
特に施設入所を考慮すべき状況が認められる場合は、その状況に応じて20点を限度に加算することができる。
5 その他
(1) 介護者による虐待、介護放棄等により、要介護者の生命・身体に危険が生じている場合については、1から4までの
合計点数に関わらず150点とする。
(2) 6か月以内に入所することを希望しない者については、1から4までの合計点数に関わらず0点とする。