A:認知症そのものが原因で睡眠障害が起きるわけではありませんが、認知症の人は生活が乱れがちになり、夜眠れないことが多くなります。昼間できるだけ身体を動かすようにしましょう。寝室は真っ暗にせず、小さな電灯をつけておきましょう。また、ごく少量の睡眠剤を医師に相談し服用するのもいいでしょう。
一般的に高齢者は浅眠傾向にあり中途覚醒や早朝覚醒が多いようです。介護施設では、不眠傾向の利用者さんは、2日間寝なくても、翌日よく眠れていればよしとしている所もあります。
認知症の人は自分の状況はよくわからなくても、昼間周りに人がいたり、日常的な雰囲気を感じて、「ここにいてもよいだろう」と安心しています。ところが夜間になると、周りの人はおらず、部屋は暗く静かなため、どこにいるのか判断がつかず、これからどうなるのかと不安な気持ちに陥りやすいのです。そのため眠れなくなるようです。
このような場合、睡眠剤を服用すればよいと考えがちになりますが、不安が強すぎて、薬を飲んでも眠れない認知症の人も少なくありません。薬以外の方法を試みる必要があります。
朝日を浴びるのも良いそうです。日中の昼寝の時間は、30分以内にしましょう。天気の良い日は日光浴も効果があります。明るい日差しのもとで過ごすことが、自分の身体の体内時計のリズムを整えることが出来るそうです。「日中デイサービスに行った日は良く眠れている」という話をよく聞きます。
また、夜中に目覚めたとき、ここが自分の部屋だと分かるように、部屋は真っ暗にせず、電球など小さな明かりをつけ薄暗くしておきましょう。見慣れたタンスなどが目に入って、再び安心して眠るかもしれません。
こうした工夫をしても、なお不眠が解消されない場合は、少量の睡眠剤を服用すると眠れる場合もありますので、医師に相談してみてください。転倒の危険性がある睡眠剤ではなく、少量の抗精神薬が効果的な場合もあります。薬の効果が日中まで残ってしまうようなら、医師にご相談ください。微調整をしてくれるはずです。
昼夜逆転が長く続くと家族も疲労が蓄積し体調不良に陥ります。
早めの対策を考えましょう!
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