A:パーソンセンタードケアは1990年代初めに故トム・キッドウッドが認知症ケアにおける魅力的な論文を書き、世界的に注目をあびました。その理由は認知症の方が示す行動は何もかも病気のせいにされていたのですが、キッドウッドは問題を提起し注目を浴びました。
認知症の方が脳が侵されて様々な知的能力を喪失しても、その人間性は失われず、その根本的価値は変わらない。「弱く、もろく、傷つきやすいものに対して、強くて障害のない私たちがケアを提供するというのは、十分な理解ではない」「むしろ認知症の人たちとのコミュニケーションがとれず、彼らを理解することは難しい。そういう私たち、自分たちがどのように人間として十分な姿でいられるのかを、傾聴とかかわりの中に努めて私たちは彼らから学んでいかなければならない」と述べています。
キッドウッドは認知症の方の声にならない心理的ニーズを共感と想像力によって把握しようとしました。そのキッドウッドの死と前後するように、認知症の人自身による貴重な内容報告が出版されました。オーストラリアの科学官僚であったクリスティーン・ボーデンさんの『私は誰になっていくの』です。45歳でアルツハイマー病の診断を受けたクリスティーンは、クリスチャンとしての信仰と科学者としての分析的な目を持って、彼女の置かれた困難な状況について述べました。そしてキッドウッドの提唱する心理療法が認知症ケアに活用できることを説きました。
パーソンセンタードケアを基本として認知症の方の声を聴きながら共にケアを考える時代を今迎えています。
2001年認知症介護研修センターは全国に3箇所(東京都杉並区、愛知県大府市、宮城県仙台市)に設置されました。認知症の介護研究事業として認知症の人のためのケアマネジメントセンター方式が開発され、パーソンセンタードケアの基本・利用者中心のケアを介護現場に具現化するためのツールとして今使われ始めています。センター方式は認知症の人のニーズを聴き取ることや介護職だけでなくチームケアの視点から、本人や家族も参加して24時間の暮らしを支えることなどの特徴があります。
教えて ホーム長 Q&A | ||
項 目 別 |
症 状 | 食事に関するお悩み……………………………………………Q07・Q19・Q54・Q68 排泄に関するお悩み……………………………………………Q12・Q27・Q31・Q76・Q79 物忘れ(妄想)に関するお悩み………………………………Q06・Q08・Q11・Q23・Q67・Q74 同じ事を聞く(独語)に関するお悩み………………………Q04・Q35・Q40・Q74 暴言・暴力・破壊に関するお悩み……………………………Q10・Q34・Q53 生活(着替え・歯磨き )に関するお悩み………………………Q20・Q46 コミュニケーションに関するお悩み…………………………Q21・Q55・Q71 収集癖に関するお悩み…………………………………………Q30・Q32 車の運転に関するお悩み………………………………………Q05・Q80 入浴に関するお悩み……………………………………………Q13 睡眠に関するお悩み……………………………………………Q18 徘徊に関するお悩み……………………………………………Q49 落ち着きがない…………………………………………………Q43 火の始末に関するお悩み………………………………………Q56 |
介 護 | 家族の気持ちに関するお悩み…………………………………Q01・Q09・Q47 遠方の介護に関するお悩み……………………………………Q02 仕事と介護に関するお悩み……………………………………Q03・Q36・Q54 介護の方法等に関するお悩み…………………………………Q14・Q25・Q28・Q65 認知症という病気(種類)について…………………………Q15・Q22・Q37・Q44・Q52・Q77 予防(早期発見)について……………………………………Q26・Q78 専門医(検査)について………………………………………Q24・Q42・Q45・Q72・Q73 手続き・連絡に関して…………………………………………Q29・Q39・Q51 施設について……………………………………………………Q41・Q61 相談する場所について…………………………………………Q16 |
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その他 | 本人へ伝える……………………………………………………Q48 アルコール………………………………………………………Q57 性的なお悩み……………………………………………………Q58 受診を拒む………………………………………………………Q59 薬を飲まない……………………………………………………Q64 感染症……………………………………………………………Q70 |