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認知症 Q & A

 

Q45 長谷川式認知症スケールとはどんな検査?

A:認知症への対応は、その第一歩として早期診断・早期発見が大切になります。そのためには、一定の基準・スケールが求められます。これまで多くのスケールが開発されてきましたが、中でも1974年につくられた長谷川式簡易スケールは最も広く用いられてきました。1991年に改定された後現在は「長谷川式認知症スケール」(HDSR)と呼ばれています。内容は主に記憶に関係した質問で構成され、全部で9問あります。

<実施の方法>
設問 1
ご自分の年齢を答えてもらいます。
正答に対し1点があたえられます。

設問 2
年・月・日・曜日それぞれにつき正答すると
1点づつ与えられます(合計4点)

設問 3
現在いる場所がどういうところであるかがとらえられていたら正答とします
(2点)もし正答が出ないときはヒントを提供します。「自宅ですか?」「病院ですか?」などと問い、正しい選択ができれば1点が与えられます。

設問 4
3つの言葉を復唱してもらいます。2つの系列(パターン)が用意されていますが、1つの系列をまず用います。(比較的短い期間に連続して行なうときは、練習効果を避けるため、も委一方の系列を用います)
1つの言葉に1点が与えられます。正解できない場合は、正答な数を採点した後、正しい答えを教え覚えてもらいます。

設問 5
100から7を連続で2回引いていきます。「100から7を引くといくつ?」次に」それから7を引くといくつ?」というように訊いていきます。
その場合、検査者は最初の答えを口に出さないことです。もし、最初の答えが間違っていたときにはそこで中止し、次の設問6へ進みます。

A:長谷川式認知症スケールは全部で9問あります。映画「明日の記憶」にも長谷川式認知症スケールが出てきました。

設問 6
数字の逆唱です。3桁と4桁の2問で、正答に対し各1点が与えられます。
3桁の逆唱に失敗した場合は、そこで中止し次の設問7へ進みます。

設問 7
(設問4で言った)3つの言葉の想起です。「先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください」と問い、3つの言葉の中で自発的に答えられたものがあれば各2点が与えられます。
想起できない言葉があった場合、少し間隔をおいてからヒントを提供し、正答が言えれば1点を与えます。例えば「桜」と「電車」が想起できなかった場合、「一つは植物でしたね」というヒントを与え、正答が言えれば1点。その後、「もう一つは乗り物がありましたね」というヒントを与えます。ヒントは被検者の反応を見ながら1つずつ提示し、「食物と乗り物がありましたね」というように、続けてヒントを出さないようにします。

設問 8
5つの物品記銘です。「これから5つの物品を見せます。それを隠しますので、何があったのか言ってください」と伝えます。時計、カギ、歯ブラシ、ペン、クシなどの物品を用意し、「これは?・・・時計ですね。これは?・・・カギですね。これは?」というように物品名を1つずつ確認しながら掲示します。
この後、「では、これらのものを隠しますので、ここにあったものをもう一度言ってみてください。順番はどうでもかまいません」と言って、それらの物品を隠します。各正答に対して、それぞれ1点が与えられます。

設問 9
「知っている野菜の名前をできるだけたくさん言ってみてください」と質問します。具体的な野菜の名前を検査用紙の記入欄に記入していきます。重視したものは採点しないように注意します。
この問題は言語の流暢さを見るための質問であり、途中で詰まり10秒程度まっても次の名前が出てこない場合、そこで打ち切ります。採点は5個までは0点、6個は1点、7個は2点、8個は3点、9個は4点、10個は5点。

<判定の基準>
設問ごとの得点を加算して総得点とします。満点は30点で、20点以下の場合に認知症の疑いがあると評価します。実施にあたっては十分に説明をすること、そしてテストを受けることの了解をとることが大切です。例えば、「物忘れテストですが、短い時間ですみますのでお願いできませんか」など。

長谷川式認知症スケールは、あくまで簡単な知能検査であって、これだけで認知症と診断することはできません。例えば検査を受けるお年寄りが感冒やうつ状態など心身が不調なときには、本来の知能より点数が低くなります。また、検査に対するお年寄りの協力度によっても左右されます。あくまでも補助的な検査であることを承知してほしいです。

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