A:認知症が進行してくると独語を多く喋られる方をみかけます。寝ようと思っても独語が気になって眠れず、慢性的に睡眠不足になり疲労がたまってしまいますね。認知症専門の医師に診てもらい、介護保険等のサービスや情報を上手に活用しましょう。
「静かにして」といってもその場限りになってしまうか、逆に言ったことがきっかけになって不穏になってしまうこともあるでしょう。ときどきであればやむを得ないと思う気持になるでしょうが、頻繁になってくると、「また今夜も」と思うだけでよけいにストレスとなり、なんでもないときでも耳にこびりついて、言ってもいないのに聞こえるような気になってしまうこともあるでしょう。
ぶつぶつ言う状態は「せん妄」といって、軽い意識混濁に記憶障害、見当識障害、知覚異常などが加わって起こります。特に夜間に起こる(夜間せん妄)ことが多く、数時間から数日間続くこともあります。認知症ではよくみられる症状ですが、いくら理論的にわかっていても、一緒に生活している人にとってはたまらない状況ですよね。夜間眠れるように、日中体を動かしたり、気分転換を図るように工夫しておられても、独りごとが続くのですから大変でしょう。
認知症専門の医師に診てもらっているでしょうか。まだ診てもらっていないようでしたら、今後のこともありますので適切なアドバイスを受けたり状態によっては薬も必要かと思われます。是非診察を受けられることをお勧めします。自分たちだけで抱え込まずにいろいろな社会資源を上手に使いましょう。
夜間ぶつぶつっているときは、手を握ったり温かい飲み物(ホットミルク)や軽い食べ物を口に入れてあげるのもいいと思います。夜間だから眠らなければならない概念を捨て、落ち着かない現状を和らげる為にはどうしたらよいかを優先して考えましょう。ご本人も眠れず疲労の原因にもなると思います。共倒れにならないように、デイサービスに行っている時間だけでも、介護者であるあなたがリラックスできる時間や趣味に集中できる時間を確保していきましょう。自分の気持にゆとりがもてるとご本人さんの症状の緩和にもつながってきます。
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