A:認知症の人と話す場合には、余裕を持ってゆっくり話を聞く姿勢が大切です。言葉によらないコミュニケーションもあります。決して押しつけず、相手の思いを汲みとるように視線を合わせて受容、共感をしましょう。
人と人とのコミュニケーションには、言葉、文字、絵、ジェスチャー、表情、身体的な接触などの方法がありますが、通常は言葉によるコミュニケーションが中心です。認知症の人の場合も同じです。
認知症の程度にもよりますが、症状によっては、適切な言葉を失い、自分の言いたい事を伝えられなくなることがあります。自分の思いをうまく話せないと、イライラしたり落ちつかなくなるのは誰にでもあることですが、、特に認知症の人は暴力的になったり、ひどく落ち込んだりします。
そうならないために、聞き手として最も大切なのは、余裕をもつことです。話をせかせたり、さえぎったり、叱ったりせずに、まずは聞く姿勢を示しましょう。認知症の人と視線の高さをあわせ「ゆっくり聞いています」というメッセージを身体全体で伝えるようにしてください。すると、あせって出なかった言葉が出るようになったり、断片的でも会話が成立するようになります。
ときには、認知症の人の言葉を待っているだけでなく、「こういうことを言いたいのかも知れない」と推し量り、「少し寒いのね」とか「散歩に出かけたいのですか?」と言葉を補ったり、ヒントを与えて話の続きを促すようにしてみましょう。この場合もせかさず、問い詰めたりしないで、ゆっくり待つ姿勢でいましょう。また、相手の言葉を繰り返し、話の内容を確認しながら会話を進めることも有効です。
こちらから発する言葉は、短く簡潔にしましょう。命令口調で話したり、馬鹿にするような態度は、認知症の人の尊厳を傷つけ、おびえさせ、悲しい気持ちにさせてしまうので控えてください。
たとえ、認知症が進んでコミュニケーションがとれなくなっても、心は生きていることを忘れず、言葉によらないコミュニケーション、例えば手を握る、笑顔をみせる、好きな音楽を流すなどの「非言語的コミュニケーション」を活用しながら、和やかな雰囲気づくりを心がけましょう。
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