A:アルツハイマー病では特に尿失禁がよく見られます。尿が急に近くなった場合や血尿が出た場合は膀胱炎を疑います。尿の検査をすると(検尿)よりはっきりします。それ以外の失禁の場合は認知症という病気によっておこる場合が多いです。その方に合った排泄パターンを知ることで尿誘導の仕方を工夫します。
規則的な排尿の習慣をつけましょう。まず、起床の直後、日中は2~3間時間もてばその時間帯に、最後は就寝前に誘導します。こうして膀胱の中に尿が残らないようにすれば失禁が減るはずです。また、奥様の尿意を感じておられるサインを把握しましょう。そわそわして歩きだしたり、股間に手を当てたりするのがサインかも知れません。それらを察知したらすぐにトイレに誘って下さい。
また、一番困るのは濡れた下着を隠そうと、タンスの奥の方にしまいこんでしまうことです。尿失禁の原因で多いのはトイレの場所が分からないのかもしれません。また、ズボンや下着の下げ方が分からなかったり、便器への座り方が分からないのかもしれません。また、よく見かける光景としてトイレットペーパーを股にはさむ習慣です。そのような時は尿取りパットを替わりにあててみましょう。尿取りパットは色々なな種類があります。ちびる程度であれば、生理用ナプキンで代用できます。
尿取りパットはある程度までの尿なら吸収しますから外出の際には便利です。奥様が座る椅子や座席のシートに防水シーツなどを備えるのも良いでしょう。失禁に対処することは容易ではありません。失禁してしまったことに、ついつい怒ってしまうこともあるかもしれません。しかし叱責すると奥様とのコミュニケーションをとるるのが難しくなります。反って怖いご主人のイメージが強く脳裏に残ってしまい、ますます尿失禁の回数が増えるかもしれません。さりげなくできなくなったことをフォローするようにしましょう。そして、相談にのってくれる方を探しましょう。ケアマネージャー、訪問看護師、泌尿器科の医師、主治医などが相談にのってくれるはずです。
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